怖い話
2020年07月05日
【書評】オトナになった今振り返る、小学校の図書室で読んだ児童書の怪談のあんな話こんな話の魅力
小学校の図書室で借りたホラー児童書、おぼろげな記憶にあるあんな話やこんな話
今回は、筆者が小学校の頃に読み漁ったホラーや怪談などの児童書、『学校の怪談』シリーズや『花子さんがきた!!』シリーズ、『怪異百物語』シリーズ、『怪談レストラン』シリーズなどなど例を上げれば筆者と世代が合う方にとってはドンピシャかもしれない本の数々を今一度思い出し、その思い出について語っていきたいと思う。
思えば、ホラー話の児童書、児童書にしてはやけにエグくてグロテスクな描写のマンガが載ってたり、今日をもってしてもトラウマな、一生忘れられない話(二十歳になるまで覚えていると死んでしまう「あんな言葉」とか、当時は二十歳など遠い未来だと思ったものだった)など、恐ろしくも不思議な思い出に満ちている。しかし一方で、かなりの実験作というか、奇妙奇天烈な話も多かったような覚えがある。今思うと、児童書という場において、作者たちも実験のような趣きで色々書いていたのだろうか。
いくつか例を上げてみると、アレは何だったか、ホラーというよりSF寄りであろうという漫画だったのだが、「不思議なネックレスを拾ったのだけれど自分だけ身に付けなかった、身につけた学友はみんな宇宙人に操られてしまって、校庭で整然とならび、宇宙人に攫われるのを待っていた。恐ろしくなって帰ったら母も同じネックレスを付けていて、「学校へ早く帰りなさい、良い子なんだからネックレスをつけて宇宙人に攫われなさい」みたいなことを言われるオチ」だか言うような話である。
または、「チーズケーキが大嫌いで、いつも捨ててしまう男の子が、ある不思議な店のケーキを捨ててしまったら、チーズケーキに呪われて、浴室のバスタブの中で気分が悪くなって倒れ、そのまま金縛りになってしまい、動けないところにバスタブの蛇口からチーズケーキが流れてきてやがて窒息してしまう・・・」なんて話もあった気がする。
あるいは「毎晩家の外の道路が動いているような気がする。不思議に思っていたら、一緒に見てた弟が言った、「お兄ちゃん、動いているのは外じゃないよこの家も他の家もみんなそうだ!みんなあのマンホールに吸い込まれているんだ!」」というような、今思うとなんとも言い難いラヴクラフト作品めいたような怪奇話などなど、思えば「何じゃそりゃ」と当時からして子供心に思った話も多かった。前述の通り、作者たちもかなり実験しているというか、冒険しまくっていたように思える。
さてそんな首をかしげるような話もあれば、熱心になって読み耽っていたものもあったものだ。例えば講談社KK文庫の『学校の怪談』シリーズだったろうか。古めのシリーズなので、ありがちな話として臨海学校とか旧校舎とか聞き慣れなかったり、イメージは出来ても身近にはないものもあったような気がするが、筆者が好きだったのは最後の読者投稿欄であった。そこには読者投稿の怖い話の体験談や、各学校の七不思議などが載せられていた。とりとめのない話も多く、意味不明と言っても良い話もあったのだが、それがかえって逆に、妙な信憑性を帯びていて、読んでいて楽しかった思い出がある。
それと筆者イチオシの一冊、ポプラ社の『学校の怪談大事典』である。この本は当時の図書室でも人気が高く、気を抜くとすぐに誰かに借りられてしまっていたものである。さてこの本は、大事典という名の通り、色々な怪談を場所や物事、パターン別に分けてらえて話が掲載されている。ちょっとした厚みがあって、その本を借りられた時は、何度も何度も読み返したものだ。
また筆者お気に入りのシリーズが、
voiceofdrone at 11:00|Permalink│Comments(0)