【人生最大の失敗?】三つ子のピカチュウ百までも【小説家になろう】短編小説「お月さま」投稿しました。

2020年07月03日

【海賊党の掲げる思想】液体民主主義とはなんぞや~インターネット民主主義の可能性~


新たなるインターネット民主主義、液体民主主義とはなんぞや


 液体民主主義(Liquid democracy)、聞き慣れない言葉であろうが、概説すると、インターネットを利用したオンラインの形をとった新たなる民主主義の形態としての思想である。いわゆる有権者全員が直接政治に携わる直接民主主義と日本のような国で行われている間接民主主義の双方の欠点を補い合い、長所を組み合わせた21世紀の新たなる民主主義政治として掲げられたのが、液体民主主義である。液体民主主義の名前の由来は、まるで液体のように柔軟に、有権者は自分の思う程度の範囲で政治決定に参加することができ、また有権者によって起草された草案は、議論や合意形成によってたえず形を変化させ、投票へ向かうという柔軟性に由来する。主にヨーロッパにおいて存在する「海賊党」と呼ばれる新参政党によって提唱されている思想であり、現代社会ならではの民主主義の新たなる形として近年期待されている思想である。
 液体民主主義という具体的段階にまでは達していないものの、インターネットを利用した、民主主義のさらなる改良という点においては、今日日本においても議論がなされている場面が、ちらほらと見受けられる。例えばインターネットを利用した選挙活動や、オンライン投票システムであるとか、様々な形で、この21世紀において急速に発展してきたインターネットというインフラを民主主義政治に適応しようという試みが考えられている。もっとも、現段階では公職選挙法の問題や、オンライン投票に関しては匿名性とセキュリティの確保という点を厳格にしなければならないため、未だ理想論として掲げられているのみであるのだが。
 考えてみれば確かに、今日において存在する、このインターネットという現代社会における巨大なネットワークを、正に有権者の意思決定によって政治が行われる民主主義政治という場面に応用しようという試みがなされるのも頷ける。液体民主主義という新たな政治形態が、果たして実際の政治に取り入れられる可能性はあるのだろうか。現段階ではやはり難しいと言わざるを得ない。しかし、昨今のコロナウイルスによる猛威によって、現実世界における人と人との接触が避けられるべきと考えられるようになった体験を通して、インターネットを利用したオンライン民主主義というシステムは、今一度真剣に論考されてもよいのではないだろうか。また、現段階では技術的水準や法制度などインターネット民主主義の実現には様々な壁があるものの、今までインターネットの利用法というものが、その時期の技術的水準によって規定され様々に変化してきたという筆者の持論を述べるのならば、その技術的な水準が然るべきラインに達した時には、インターネットが政治へと利用される日もやって来るのではないだろうか。
もっとも今日において、インターネットが政治に利用される、という言い方をすれば、なんだかネガティブなイメージを伴った、プロパガンダ戦略のようにも聞こえてしまうのだが、しかしそれもインターネットという新たなメディアの逃れられない性であろう。歴史的に見ても、写真や映画、ラジオやテレビなど新たに登場したメディアは絶えず政治宣伝に利用され、それを上手く活用した政治家が政権を勝ち取ったという経緯もある。インターネットという従来以上に幅広く、匿名から実名までが入り混じった環境というものは、実際、宣伝にはうってつけの場でもあるだろう。今日をして、インターネットと政治というものはすでに不可分な立場にあるのにも関わらず、液体民主主義という、技術的にインターネットを政治に取り入れるという試みが目新しく聞こえてしまうというのは、なんだか矛盾したような気持ちもしてならない。


このエントリーをはてなブックマークに追加
voiceofdrone at 02:45│Comments(0)エッセイ 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
【人生最大の失敗?】三つ子のピカチュウ百までも【小説家になろう】短編小説「お月さま」投稿しました。